「予想外」からiPS細胞作製の担い手に

「予想外」からiPS細胞作製の担い手に

 リプロセルには、臨床検査技師の資格取得後、新卒で入社しました。私は看護師の母を見て育ち、小さいころから医療に携わりたいという思いを持っていたのですが、学生時代の勉強を通じ、移植医療、特にHLA検査の技術を磨きたいと思うようになりました。HLA検査は、患者さんが臓器移植を受けられるか否か、ドナーとレシピエントの適合性を判断する上で大事な役割を果たす検査です。病院も含めて就職活動をする中、様々なHLA検査を行うリプロセルに出会い、入社を決めました。


 ところが、入社後に配属されたのは臨床検査室ではなく、技術部でiPS細胞の作製などを請け負う製造受託チーム。予想外ではありましたが、「新しく学べることもあるはず」と前向きに捉えました。このチームでは、大学の研究室や製薬企業から依頼を受け、尿や血液、線維芽細胞をもとにiPS細胞を作製しています。細胞の遺伝子を編集するゲノム編集サービスも手掛けていて、私たちが作製・編集したiPS細胞は、創薬分野での治験などに使われています。
 お客様によって求められる細胞の数や種類は違うため、まず、資材コストや所要時間をふまえた、個別の計画を立てなければなりません。先輩の補助から始め、現在は計画立案から資材の発注、在庫管理、実際の作製作業、最終報告書の執筆まで、一連の業務を担当しています。入社年次は浅いですが、実績を見てもらい、責任の大きい仕事を任せてもらえるのはうれしいですね。



社内外と協力して報告書を練り上げる

社内外と協力して報告書を練り上げる

 受託サービスは、ラボでの作業に加えて社内外とのやり取りが頻繁にあり、社会人としての成長につながっていると感じています。一つのプロジェクトは数カ月から、長いと1年半にもわたり、時には十数件のプロジェクトが同時進行するため、毎週、直属の上司に現状を詳しく報告しながら進めます。一部の工程を委託している社外の協力先と、電話やテレビ会議をすることも欠かせません。お客様との窓口である営業・マーケティング部との連携も求められ、こうしたことは、病院に就職していたら、あまり経験しなかったことかもしれません。

 プロジェクトの節目に作成する報告書は、お客様の要望にかなう内容になっているか、営業の担当者も交えて検討を重ねます。何度も修正を加え、誤字脱字を念入りに確認し、最終報告書をお客様に届けた後は、非常に大きな達成感がありますね。プロジェクトごとの単価が大きな事業ですが、お客様の中にはリピーターとなってくださる方もいて、そうしたところにも自分の仕事の成果を感じることができます。

 社内は20代~30代の社員が多く、年次や部署を意識せず意見を言える雰囲気です。私が所属する技術部には、アカデミアでの経験が豊富な社員と、民間企業での経験が長い社員がおり、それぞれが得意なところで助け合っている印象です。とはいえ、上司に相談するときは、「どうしたらいいですか?」ではなく「こうしたい」と、まず自分の意見を伝えるように気を付けていますね。すぐに率直な意見が返ってくるので、最初の提案がだめなら次はこの案・・と、臨機応変に考える力が必要です。 ​

 当社の受託関連サービスの受注は年々増えていて、需要の高まりを感じています。いつか臨床検査の業務もやってみたいという気持ちはありますが、臨床検査技師としての知識は、培地の品質管理など日々の業務で生かされていますし、製造受託の事業はまさに成長の途上です。今は自分の経験を新しく入社した方に教えたり、同僚と共有したりすることで、製造受託のチームワークを充実させられたらと考えています。そうすれば、iPS細胞樹立やゲノム編集の受託件数を今よりも増やし、当社の売上を増やすことにも貢献できると思うのです。

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竹内

唐澤

小川