神経細胞への分化誘導



Neuro


我々はヒトiPS細胞由来の神経前駆細胞(ReproNeuroシリーズ)を2011年より販売しており、その技術を活かしてヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導を承ります。

≪ReproNeuroシリーズの特徴≫

 ・ヒトiPS細胞由来の神経細胞を提供いたします。
 ・ドレブリン(Drebrin)を含め、神経細胞特有のマーカーが発現しています。
 ・創薬スクリーニングや神経毒性アッセイにご使用になれます。
 ・アルツハイマー病モデル細胞(患者由来、遺伝子改変)を提供いたします。
 ・感覚神経細胞、ドーパミン作動性神経細胞の受託製造も承ります。


1)ReproNeuroのマーカー発現


◆神経細胞マーカー

神経マーカー

ReproNeuroは各種神経細胞のマーカー陽性の細胞を含むミックスポピュレーションです。生体に近い反応を表すことが期待できます。


◆ドレブリン(Drebrin)

ドレブリンはシナプス後端に存在する蛋白質でシナプス可塑性にも関与しており、スパインの形成およびシナプスの形成のマーカーとしても使用されています。

ドレブリン






ReproNeuroを2週間以上培養し、ドレブリンの発現を免疫染色に評価いたしました。神経突起上に、ドレブリンが集積したスパイン様の構造が形成されています。


2)アプリケーション


◆細胞内カルシウムイメージング

ReproNeuro™を14日間培養し、カルシウム指示薬(Fluo-8)を取り込ませることにより、神経活動による細胞内カルシウムの濃度変化を観察することができます。また、ほぼすべての神経細胞がグルタミン酸刺激により活性化されていることが確認されました。

刺激前

100μM グルタミン酸添加後

βIII-tubulin

βIII-tubulin

Provided by Prof. Oka and Mr. Enya in Keio Univ.

◆MEAアッセイ

MEA

MEA

ReproNeuroを電極プレート上に播種し、神経細胞由来のシグナルを取得いたしました。 解凍・播種後、2週間目からシグナルは取得でき、6週目以降から同期バーストの回数が顕著に増加しました。
細胞:ReproNeuro(品番:RCDN001N)
培地:ReproNeuro MQ Medium(品番:RCDN102)


TTX







グルタミン酸受容体アンタゴニストへの反応
各種のグルタミン酸受容体のアンタゴニスト(APS, CNQX, TTX)による阻害効果が評価可能です。
細胞:ReproNeuro(品番:RCDN001N)
培地:ReproNeuro MQ Medium(品番:RCDN102)

3)疾患モデル細胞


◆アルツハイマー病モデル細胞 – 神経突起の形成・伸長

ReproNeuro(品番:RCDN001N)、ReproNeuro AD-mutation(品番:RCDN002N)ReproNeuro AD-patient 1(品番:RCDN003P)を用いて、アルツハイマー病モデル細胞の表現型(神経突起形成・伸長)解析を実施しました。ReproNeuro AD-mutationは、アルツハイマー病の原因遺伝子であるPresenilin 1(PS1)の変異型(P117L)を遺伝子導入したiPS細胞から分化誘導された神経細胞、ReproNeuro AD-patient 1は、アルツハイマー病の原因遺伝子の一つであるPresenilin 2(PS2)に変異(R62H)を有するドナーからiPS細胞を作製し、神経細胞へと誘導された細胞です。それぞれの細胞塊を作製してから、接着培養へと移行し、神経突起の本数・長さの測定を蛍光染色画像を用いて実施しました。
上図:神経細胞の画像 下表:画像解析結果

neurosphere

stefangraph

さらにROCKの阻害剤(Y-27632)とRho-Aの阻害剤(Ibuprofen)による神経突起伸長への影響を評価しました。それぞれの阻害剤の添加により、アルツハイマー病モデル細胞で起こっていた神経突起数の減少がレスキューされることが観察されています。このように、iPS細胞を利用したアルツハイマー病モデル細胞の表現型解析をすることで、多様な評価に利用可能なことが示されています。
上図:神経細胞の画像 下表:画像解析結果

neurosphere

stefangraph



◆アルツハイマー病モデル細胞 – アミロイドベータの産生

AD




ReproNeuro AD-mutation(品番:RCDN002N)は、アルツハイマー病の原因遺伝子であるPresenilin 1(PS1)の変異型(P117L)を遺伝子導入したiPS細胞から分化誘導された神経細胞です。本iPS細胞由来の培養外液のAbetaの濃度を測定しました。野生型のPS1を遺伝子導入したiPS細胞由来の神経細胞と比較して、Abeta42の産生割合が増加することが確認できています(左図)。アミロイド仮説に基づいた試験にご利用いただけます。


◆ゲノム編集技術を用いた疾患モデル細胞の作製

AD

GenAhead bio社との協業により、iPS細胞への遺伝子編集が可能となりました。これにより、特定の遺伝子の変異をもつ弛緩モデルと遺伝的なバックグランドが同一のコントロール細胞が入手できます。さらに、疾患患者由来のiPS細胞に対して、変異部位を修復したiPS細胞も作成が可能となります。
(ゲノム編集サービス)




4)その他の神経細胞の受託製造


感覚神経細胞、ドーパミン作動性神経細胞、その他の神経細胞の製造を受託にてお受けいたします。まずは、ご計画やご要望がございましたら、お問い合わせ下さい。


◆感覚神経細胞

本細胞は株式会社ファンケルとの共同開発されました(IRはこちら)
免疫染色にて、感覚神経細胞のマーカーであるBrn3aの発現と特徴的な受容体であるTRPV1の発現が確認できています。


感覚神経

感覚神経



◆参考文献

  • Sugai A, Kato T, Koyama A, et al. Non-genetically modified models exhibit TARDBP mRNA increase due to perturbed TDP-43 autoregulation. Neurobiol Dis. 2019;130(July):104534.
  • Alhibshi, A. H., Odawara, A. & Suzuki, I. Neuroprotective efficacy of thymoquinone against amyloid beta-induced neurotoxicity in human induced pluripotent stem cell-derived cholinergic neurons. Biochem. Biophys. Reports 2019; 17, 122–126.
  • J. Kimura, K. Shimizu, K. Kajima, A. Yokosuka, Y. Mimaki, N. Oku and Y. Ohizumi. Nobiletin Reduces Intracellular and Extracellular β-Amyloid in iPS Cell-Derived Alzheimer’s Disease Model Neurons. Biol Pharm Bull. 2018;41(4):451-457.
  • A. Odawara, M Gotoh, and I Suzuki. “A three-dimensional neuronal culture technique that controls the direction of neurite elongation and the position of soma to mimic the layered structure of the brain.” RSC Adv. (2013)
  • A.H. Alhebshi A. Odawara M. Gotoh I. Suzuki Thymoquinone protects cultured hippocampal and human induced pluripotent stem cells-derived neurons against -synuclein-induced synapse damage Neuroscience Letters 2013; Sep 27. pii: S0304-3940(13)00873-2.
  • Bottiglieri, Teodoro, et al. “Acute administration of L-DOPA induces changes in methylation metabolites, reduced protein phosphatase 2A methylation, and hyperphosphorylation of Tau protein in mouse brain.” The Journal of Neuroscience 32.27 (2012): 9173-9181.