iPS細胞受託サービスの累計受託実績が100件を突破

2023.10.19 GENERAL 

株式会社リプロセル(以下、当社)は2017年より本格的にiPS細胞受託サービスを開始し、この度累計100件を突破いたしましたのでご報告いたします。

iPS細胞受託サービスには、「iPS細胞樹立」「分化誘導」「ゲノム編集」などのサービスが含まれており、お客様のご要望に応じて一気通貫でお受けすることも、いずれかのサービスを単発でお受けすることも可能です。

これまで国内外の製薬会社より繰り返しご依頼をいただいており、先日、累計の受託件数100件を達成することができました。

■「iPS細胞受託サービス」について

iPS細胞受託サービスは、主に製薬企業に向けた創薬支援サービスです。

健常者や疾患患者から採取した検体(線維芽細胞、尿など)を用いてRNAリプログラミングを行い、iPS細胞を作製します。作製したiPS細胞は、研究用途に応じて神経細胞や心筋細胞などの分化細胞に誘導します。分化細胞は薬剤スクリーニングや安全性評価など創薬研究の初期段階から用いられ、候補となる薬剤の選定に使用されています。

iPS細胞は無限に増殖するため、均一な細胞を大量に取得することが可能です。これにより、細胞間の品質のばらつきを抑えられ、同一の条件で実験を行うことができます。

また、生体を用いる必要がないこと、ヒト由来の細胞を得られることから、動物実験の代替法として導入されるケースも増えてきました。

■「RNAリプログラミング」について

当社では、iPS細胞を樹立する際に「RNAリプログラミング」という方法を、用いています。従来のリプログラミング方法と比較し、1)導入因子の残存性が小さいこと、2)染色体の安定性が高いこと、3)クローン間差が小さいことなどの優位点が挙げられます。

例えば、従来法であるエピゾーマルベクター法では、導入因子としてDNAを用いることから、染色体への取り込みの可能性を完全に否定することは難しいと報告されています。

また、センダイウイルスベクターを用いたiPS細胞の樹立においては、ゲノムへの取り込みの危険性は回避されているが、導入因子の長期残存性が報告されています。 一方で、RNAリプログラミング法では、導入因子をRNAとして細胞に導入し、細胞質に留まったRNAから各種の初期化因子が翻訳されて細胞が初期化されます。さらに、RNAは細胞内で速やかに分解されることから、導入因子の残存性を気にすることなく、染色体の安定性が高く、クローン間差が小さいiPS細胞の作製が可能です。このような優位点を踏まえ、近年では国内の先端研究所でも広く採用されています。