株式会社リプロセルは、2003年に京都大学・東京大学発のバイオベンチャー企業として設立された会社です。
研究支援事業・メディカル事業の2つの事業を支柱とし、多方面に事業を展開しています。
ライフサイエンス関連を主としているため、普段の生活の中ではなじみのない事業もあるのではないでしょうか。
リプロセルの事業にはどのようなものがあるのか、全2回に分けて説明していきます。
第1回は研究支援事業をご紹介いたします。
研究支援事業では、長年の幹細胞研究から得た知見を活用し、様々な製品・サービスを提供しています。
研究試薬
iPS細胞の研究に使用する研究試薬になります。研究試薬には様々な種類があり、例えば、培養液、剝離液、凍結保存液、コーティング剤、抗体、などがあります。研究試薬は細胞の種類、培養方法、測定方法などによって様々な種類があります。例えば、ヒトiPS細胞の培養液の場合、培養方法によって異なる培養液が数種類販売されていますし、ヒトiPS細胞を識別するためのマーカーについても同様に多種類販売されています。
対象顧客は大学等の公的研究機関や製薬企業等の民間研究機関になり、現在、世界中で盛んに研究が行われています。
当社では、ヒトiPS細胞に特化した研究試薬製品の製造販売を行っています。
創薬支援
iPS細胞から、神経細胞、腸管上皮細胞、肝細胞など様々な細胞を作製し、それを創薬スクリーニングに利用します。これにより、製薬企業が新薬候補化合物の薬効評価及び毒性評価を効率的に行うことが可能になります。また、動物実験を大幅に低減できるとの期待もあります。
当社では、iPS細胞から、神経細胞、心筋細胞、幹細胞、アルツハイマー病モデル細胞等、様々な細胞製品を作製して販売しています。
さらに、心臓や腸など、実際にヒトから採取した臓器を用いた新薬の試験サービスや、ヒト生体試料のバンキングなども行っています。
受託サービス
前述の新薬の試験サービスの他にも、iPS細胞樹立やゲノム編集の受託サービスを行っています。iPS細胞樹立受託サービスは、お客様のご指定の細胞からiPS細胞を作製できます。お客様のご要望に応じて、iPS細胞から神経細胞や血液の細胞などを作る、分化誘導という作業を行うこともできます。ゲノム編集受託サービスでは、iPS細胞やその他の細胞の遺伝子編集を行っています。GenAhead Bio社との協業により高度な遺伝子編集を実現しており、自施設で成功しなかったプロジェクトや、アイデア段階からのご相談をお客様と一緒に行います。
機器製品
ライフサイエンスの分野では、細胞を測定するために多様な機器が使用されています。当社では神経細胞や心筋細胞の電気的な活動を測定する機器(Axion社 Maestroシリーズ)を販売しています。Maestroシリーズでは、誰でも簡単に電気生理学的な測定が可能で、アカデミアの研究施設から製薬会社まで幅広く活用されています。さらに、シングルセル解析に用いられる機器(Blacktrace社 Nadiaシリーズ)の取り扱いを開始いたしました。Nadiaシリーズは、iPS細胞研究以外の分野でも使用されることが期待できます。
次回はメディカル事業についてご紹介します!